最後の登記をした後、１２年間登記をしないまま経過した株式会社は、会社法上、休眠会社と呼ばれます。

株式会社の取締役の任期は最長で１０年ですから、必要な登記申請がきちんとなされていれば、株式会社の登記が１２年間そのままということは無いはずです。

しかし現実にはこうした休眠会社が存在しており、法務局は、商業登記制度に対する信頼性確保のため、休眠会社の整理を行うことがあります。法務局は、官報に公告したうえで、休眠会社に対して「事業を廃止していないときはその旨の届出をするよう」通知するのです。届出がないまま公告から２カ月過ぎると、休眠会社は解散したものとみなされ、職権で解散の登記がなされます。

実際のところ休眠会社は、小規模な株式会社で取締役の改選・変更の登記を忘れてしまったケースが多いのだろうと思います。

もし会社が存続していて、上記の通知が届いた場合には、急いで対応しなければなりません。解散の登記がなされないようにするほか、取締役の改選・変更の登記など会社法上の義務を怠ったことによって、過料に処せられる可能性もあるのです。

もし法務局から上記の通知が届いたら、すぐに司法書士に相談することをお勧めします。

会社法４７２条（休眠会社のみなし解散）
休眠会社（株式会社であって、当該株式会社に関する登記が最後にあった日から十二年を経過したものをいう。）は、法務大臣が休眠会社に対し二箇月以内に法務省令で定めるところによりその本店の所在地を管轄する登記所に事業を廃止していない旨の届出をすべき旨を官報に公告した場合において、その届出をしないときは、その二箇月の期間の満了の時に、解散したものとみなす。ただし～

「令和６年１１月」