召田司法書士・行政書士事務所|長野県松本市の相続登記

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【トピック 24】相続放棄の熟慮期間

「相続の放棄」には「その相続に関して初めから相続人とならなかったものとみなす」という効力があり民法第939条,例えば親が残した借金について子が責任を負わないようにするための強力な手段になります。
相続の放棄は原則として,自己のために相続の開始があったことを知った時から3カ月以内に家庭裁判所に申述しなければなりません民法第915条,第938条
この期間は,熟慮期間と呼ばれます。熟慮期間の起算点が「被相続人の死亡時」ではなく「自己のために相続の開始があったことを知った時」となっているのがポイントです。相続人が数人あるときは,熟慮期間は各別に進行することになります。相続の順位が第2順位・第3順位の相続人は,先順位の相続人がないこと又はその全員が相続放棄したことを知ってようやく熟慮期間が進行するのです。
相続人が相続の(単純・限定)承認や放棄を決断するには,通常,相続財産(負の財産を含む)の状況を把握して行うのですが,3カ月では足りないこともあります。そういう場合は,熟慮期間の伸長を家庭裁判所に申し立てることができます。相続の放棄(又は限定承認)の手続をしないまま熟慮期間を徒過してしまった場合は,「単純承認したものとみなす」と定められています民法第921条
3カ月という期間は意外とあっという間ですので,相続の放棄をご検討される場合は,早め早めにご相談ください。
[令和4年8月]