令和3年4月21日,民法等の一部を改正する法律が成立しました。これにより,不動産登記法が改正され,所有権の相続登記がついに義務化されることになります。
不動産登記法の該当条文は次のとおりです。
第76条の2第1項 所有権の登記名義人について相続の開始があったときは,当該相続により所有権を取得した者は,自己のために相続の開始があったことを知り,かつ,当該所有権を取得したことを知った日から3年以内に,所有権の移転の登記を申請しなければならない。遺贈(相続人に対する遺贈に限る。)により所有権を取得した者も,同様とする。
上記規定の施行は,「公布の日から起算して3年を超えない範囲内において政令で定める日」(附則第1条第2号)とされています。※公布の日は令和3年4月28日
そして,この相続登記の義務の不履行については,過料に処せられることになります。
第164条第1項 ~(略)~,第76条の2第1項~(略)~の規定による申請をすべき義務がある者が正当な理由がないのにその申請を怠ったときは,10万円以下の過料に処する。
これまで,お客様から相続登記をしないとどうなるのですかと尋ねられたときに,「罰則はありませんが・・・」と前置きをしたうえで,様々な不都合が生じかねないことをご説明してきましたが,これからは,過料の可能性についてもご説明することになるでしょう。
[令和3年5月]